湿気が気になる季節、みなさんはどう対策されていますか?
実は、どこのご家庭にもある換気扇を回すことがとても効果的なんです。
そのタイミングと注意点について考えてみようと思います。
湿気対策に換気扇を回すのは効果ある?

温暖湿潤な気候の日本では、年間を通して雨量が多く夏の平均気温が高い特徴があります。
冬は比較的乾燥していますが、夏の湿度はとても高くなります。
気温が上がると空気がたくさんの水分を含むことができ、湿度も上がってしまうのです。
湿度が高い状態が長く続くと
- カビが発生しやすくなり、アレルギーや感染症の原因になる
- ダニやムカデなどの害虫が発生しやすくなる
- 汗がうまく蒸発できず熱中症にかかりやすくなる
- 建材や柱が痛みやすくなる
など、身体にもお部屋にも悪い影響を与えると考えられています。
さて、ではどのようにすれば室内の湿度を下げることができるでしょうか?
ポイントは風通しをよくすることと湿気の発生源をできるだけ減らすことになります。
押し入れや下駄箱などの締め切った空間の湿気を動かすことも、とても大切ですので天気のよい日には扉を開けておくのもおすすめです。
伝統的な日本建築には湿気をうまくにがす工夫がたくさんみられます。
風通しをよくするために部屋はふすまや障子で仕切られ、水分を適度に吸収する土を壁の素材に用いています。台所や風呂場など水回りは居住空間から離れたところに造られていました。
ところが現在の住宅のほとんどが気密性を重視した作りになっています。
エアコンなどの空調設備が整ってきたため、快適な空気をできるだけ閉じ込める発想に変わってきたのです。
しかしその結果、湿度をコントロールする必要が出てきてしまいました。
ここで先ほどのポイントのひとつ目の風通しをよくするのにおすすめなのが換気扇を使う方法です。
換気扇であれば風のない日でもスイッチを入れるだけで室内の空気を屋外へ出すことができ、とても手軽に空気の入れ替えができますね。
湿気対策で換気扇を回すタイミングは?
換気扇を回しても空気が一度に動き出すわけではありません。
バスタブのお湯を手でくるくると混ぜても直ぐには全体を混ぜることはできませんよね。
少しずつ周りを巻き込みながらゆっくりと回りはじめます。
空気の動き方も同じことがいえます。
これは余談ですが、キッチンの換気扇も調理をはじめる少し前から回し始めるようにしましょう。
もちろんトイレも同じことが言えます。においや油の飛び散りがはじまる前に空気を動かしておく必要があるんですね。
湿度が上がってきたから換気扇を回す…では空気を動かし続けることはできません。
弱い回転でも24時間回し続けるのが理想的だと言えます。
特に浴室の換気扇は、水気の多い浴室内の湿気を屋外に出してくれるので、発生源を減らすためにもぜひ活用したいものです。
換気扇を24時間回し続ける前提で建てられた住宅も増えてきています(24時間換気システム)。
このシステムは、高機密高断熱の住宅に義務付けられ(2003年以降)1時間に半分以上の空気が入れ替わるように基準が定められており、湿気対策はもちろんシックハウス症候群の軽減にも効果が期待できます。
湿気対策で換気扇を回すときの注意点は?

換気扇は空気を外に出す装置ですが、換気を効果的に行うには空気の入り口も必要です。
防犯上の問題がなければ窓を少しだけ開けるか、サッシの通気口を開いておくなどしておきましょう。
空気を大きく動かすには同じ部屋ではなくできるだけ離れた場所が良いでしょう。
空気の入り口(吸気口)をあらかじめ取り付けてある24時間換気システムを取り入れた物件も増えていますので、ご購入・転居の際には検討してみてくださいね。
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